有峰湖周辺(富山) 高杉山(1409.0m) 2019年3月10日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:12 有峰林道小口川線水須ゲート−−6:55 有峰林道を離れる−−6:58 小口川第二発電所(斜面取付)−−7:15 送水管−−7:44 調圧水槽−−8:26 1004m標高点−−9:03 1151m峰−−10:45 高杉山(休憩) 11:48−−12:27 1151m峰−−12:48 1004m標高点−−13:07 調圧水槽−−13:25 小口川第二発電所−−13:29 有峰林道−−14:15 水須ゲート

場所富山県富山市
年月日2019年3月10日 日帰り
天候快晴 南風やや風強し
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場有峰林道水須ゲートに広い駐車場あり
登山道の有無調圧水槽以降は無し
籔の有無残雪に埋もれて皆無
危険個所の有無やや急な場所があるが概ね危険個所は無し
使用した冬装備スノーシュー、10本爪アイゼン、軽ピッケル
山頂の展望真の山頂ではあまり良くないが、動き回れば立山や富山平野方面の展望が得られる
GPSトラックログ
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コメントネット検索で高杉山の記録は2件しか見当たらなかったので非常にマイナーな山らしい。アプローチの点で有峰林道小口川線水須ゲートから小口川第二発電所経由で往復したが正解だった。新雪直後でラッセル覚悟で出かけたが予想以上のラッセルに苦労し、ワカンだったら体力切れで山頂に届かなかったかもしれない。山頂の新雪は約40cmだった。有峰林道は未だ除雪無しだったが危険な残雪状況は皆無だった。斜面付取の小口川第二発電所からずっと積雪が続き、送水管最上部の調圧水槽より上部の藪尾根も積雪に覆われ藪は皆無だった。尾根上には杉の古木が多数みられ山頂も天然杉の疎林に覆われる。標高1150m以上の緩斜面帯はなぜか極端に凸凹や小さな谷が多く地形を読むのに苦労。ここを往復ではなく下りで使う場合は要注意


立山町から見た高杉山
高頭山への林道は登山口の遥か手前で冬季通行止め。これで高頭山経由で登るのを諦めた


水須ゲート。冬季閉鎖中 駐車場には私の車のみ(当然)
新雪が付いている。さて、積雪量はいかに? 有峰林道は未除雪
足跡あり 小口川第二トンネルは照明されている
林道の積雪は少なく安全に通過 思ったより気温は低く-4℃程度
林道を離れて小口川第二発電所方面へ進む 橋で対岸へ
 小口川第二発電所 発電所裏手の斜面を登る。夏道は雪に埋もれる
索道直下。急なのでここは登らなかった 送水管横の階段を登る
階段が雪に埋もれて以降は反対側を歩く 踏み抜くようになる
標高690m付近でスノーシュー装着 新雪は数cm
あのタンクが送水管上端 送水管上端の重機格納庫小屋。雪に埋もれる
索道の上部施設 調圧水槽(サージタンク)
調圧水槽直下の手すりは雪に埋もれる 標高790m付近
標高790m付近。積雪は僅かだが薮は皆無 標高850m付近の杉の古木。尾根上に多数あり
標高910m付近。幼木の穴に落ちる 標高940m付近
標高990m付近。二重山稜。ラッセルが深くなってくる 1004m峰付近。二重山稜
標高1050m付近 標高1080m付近。ラッセルがきつい
1151m峰を越えた先。また二重山稜 木ではないと思うが・・・
1130m鞍部先の古木。人工的なきれいな切り口 標高1150m付近。ラッセルで進捗がた落ち
標高1190m付近。雪面の凸凹多数 標高1250m付近
標高1300m付近。コブだらけ 標高1340m付近。脛までのラッセルの連続
標高1360m付近。尾根上なのに平地無し 標高1380m付近。凸凹ばかり
やっと到着した高杉山山頂 先週登った鳥ヶ尾山
高杉山から見た東笠山 高杉山から見た西笠山
南西側から見た高杉山山頂
高杉山から見た立山〜剱岳北方稜線(クリックで拡大)
高杉山から見た薬師岳〜北ノ俣岳
高杉山から見た白山 山頂はこのラッセル。ちょっと動くのにも苦労
標高1380m付近。往路のトレースを追う 標高1080m付近から見た小口川ダム
標高1030m付近。やっとラッセルが楽になってきた 標高960m付近。スノーシューが滑りバックで下った
標高880m付近 調圧水槽に到着
送水鉄管を見下ろす 夏道(巡視路)
アイゼンを履いて急傾斜の送水管脇を下る 往路の足跡
送水管の右側を下る 途中で左側に乗り換える
送水管下部で西側斜面に移る ここを下った
下ってきたルート。見上げるとかなりの傾斜 有峰林道に合流
使った尾根 小口川ダム湖
カモシカに遭遇 照明が点灯した小口川第二トンネル
ゲートへショートカット 水須ゲート到着
案内図では黒部五郎岳が黒部四朗岳と誤記 小口川左岸の作業道。東笠山直下の道は存在しない


 昨年から有峰湖周辺の藪山へ集中的に登っているが、残りは高頭山と高杉山。高頭山は登山道があるので残雪期に登る必然性は無いが、高杉山と抱き合わせで効率的に登りたいところだ。そこで先週の鳥ヶ尾山下山後に高頭山登山口への車道がどこまで開通しているか調査しにいったら、登山口から遥か手前でゲートが閉じていた。これでは残雪期に高頭山へ登るのは面倒で、今回は高杉山のみ目指すことにした。

 高杉山だけを狙うとしたら、車でのアプローチの良さを考えると有峰林道小口川線水須ゲート一択しかない。この時期にゲートまで入れるかどうかも実は先週に調査済みで、既に周囲の雪は消えて問題なく入れることは分かっていた。昨年残雪期末期に登った熊尾山と途中までは同じルートで、小口川第二発電所から尾根に取り付いて導水管沿いの巡視路を登り、導水管てっぺんの調圧水槽から道なき尾根に入って山頂を往復だ。

 時期は昨年より2か月早いが今年の残雪状況は相当少なく、雪の量は昨年より1か月程度早まった時期と考えるのが妥当だろう。ほぼ無雪の水須ゲートの様子からして林道の残雪はそれほど気にする必要は無さそうだ。問題は導水管の尾根で、急斜面をジグザグる巡視路が雪に埋もれていると厄介で、その場合は導水管沿いを直登となろう。巡視路から尾根に乗り移る箇所で既に雪が無ければ藪漕ぎの覚悟が必要かもしれない。

 今回の問題は残雪よりも新雪だ。木曜日の雨は山では雪となり、翌日金曜日(=登山前日)は冬型の気圧配置で日本海側は雪だった。長野でも雪が舞い平地でも薄っすらと白くなったほど。高杉山でどれほどの新雪が積もったのか予想は困難だが、標高が1400m程度なので30〜50cm程度と見積もった。この場合はワカンではなくスノーシューでないと無理だろう。春の重い雪の一人ラッセルで山頂に届くか心配で、直前まで糸魚川のスーパーマイナーな低い藪山とどちらに行くか悩んだが、思い切って高杉山に出かけることにした。

 長野では朝は白かったが日中は日差しがあり雪は消えた。白馬や小谷でも平野の雪は無かったが、通過は夜間だったために山の白さは確認できなかった。糸魚川、富山平野でも雪は全く無く、もしかしたら山の新雪は少なかったのかもと期待できそうだ。水須ゲート周辺も新雪は皆無で無人の駐車場で仮眠。こんな時期なので夜間にやってくる車は皆無だった。

 翌朝はやや冷え込んでフロントガラスの水滴が凍り付いていた。朝飯を食って出発。今回の冬装備はスノーシューに10本爪アイゼン、それに軽ピッケルとストック。明るくなって初めて分かったが周囲の山肌は新雪で白くなっており、高杉山山頂では結構な積雪かもしれない。天候は昨夜は満天の星空だったが今朝も申し分ない快晴だ。「てんくら」では風が強い予報になっていたが、この谷間では無風だった。

 スノーシューをザック背面に括り付けて出発。最初から有料林道をショートカットして上段へ。真夏は背の高い草ぼうぼうの斜面も冬枯れの今の時期は藪は皆無で快適に登れた。上段の車道には僅かに雪が残り車の轍が途中まで付いていたが、突破できずにバックで戻った形跡が残っていた。この時期はダムまでさえも除雪されていないのであった。最初の小口川第一トンネルは長さ110mほどでライト無しでもギリギリ歩ける状態で、次の小口川第二トンネルは長さ373mと長く、通常ならヘッドライトが必要だが内部は照明が点灯していたので大助かり。昨年も点灯しており、どうやらここだけは年中無休らしい。内部には資材が置かれていた。

 林道上の残雪は予想通り少なく、小規模なデブリを2か所ほど小さく高巻きしただけで、他は普通に平らな路面上を歩くことができ危険はなかった。ただし例年のこの時期に同じように危険が無いかは不明。雪の上には1人の古い足跡が残っており、その上だけは雪が良く締まって足を乗せても沈まず、雪の上を歩く必要がある箇所は足跡を追う。温度計を見ると気温は-4℃程度で思ったよりも冷えているのは、締まった雪を期待する上では有り難い。まだ林道上には新雪は見られない。

 ほどなくして小口川第二発電所への分岐に到着。当然ながら案内標識は無く、通せんぼするように入口には立木が幹の途中で折れて道を塞いでいた。倒木の横をすり抜けて林道縁の雪が消えた僅かな部分を歩き、橋を渡って対岸へ。発電所は雪解け水で元気に稼働中の音がしていた。

 ここから巡視路に変わるが最初から雪に埋もれて夏道は消え失せていた。この標高で積雪なのだから上部の尾根で雪が無く藪が出ている心配はなくなった。出だしからしばらくは急斜面が続くが雪はそれほど固くないのでツボ足で登ることに。頭上を通る索道の真下は一直線に開けた斜面で藪は無いがあまりにも急なので、夏道がそうだったようにジグザグに登っていく。適当なところで送水鉄管に移動し、鉄管右側(西側)に沿って伸びる急な階段を登っていく。階段には新雪が積もっているがフワフワの雪で全く抵抗はなし。たまに古い雪が残る部分は固く、コケると急な階段を転げ落ちそうで慎重に通過。やがて固い雪が連続するようになったところで送水管反対側へ乗り越え可能な場所があり、そちらに場所を変えて鉄管からやや離れた斜面を登り始める。こちらは踏み抜くので転落の心配は無いが、徐々に沈む深さが増して足が重くなってきたのでスノーシューを装着。私のスノーシューは登りならアイゼン並みの食いつきなので安心して使用可能。

 送水管上端に到着。昨年はここには雪は皆無で小型重機を置いた三角屋根の小さな小屋があったが、その小屋は屋根を残して雪の中。ここで巡視路を離れてこのまま尾根直上を進む。銀色の円筒形構造物は調圧水槽、別名をサージタンクと言う。水力発電所内の水量調節弁等の操作で流水量が急激に絞られると水路の圧力が上昇し破損する可能性があるので、それを緩和するための設備だ。階段は手すりが雪面に顔を出す程度で、尾根上には土は見えない。木の根元は既に雪が解けて根開きしているようだが、昨日の新雪で地面は隠れていた。少ない新雪でも根元には藪は見えないので、もともとこの付近では藪はまだ薄いのだろう。

 通常、この高さだとブナ林を中心とする落葉広葉樹に覆われているはずだが、この尾根は不思議なことに尾根周辺は天然杉が多く見られた。中にはでかい幹回りの古木も見られ、それも1本や2本ではなく10本以上は確実にあった。もちろんブナも混じっているが、存在感は杉の方が圧倒的だった。時々、その杉の幼木が薄い雪の下に隠れていて「落とし穴」にはまってしまう。スノーシューだと脱出が面倒だった。

 高度が上がるにつれて徐々に積雪量は増加。送水鉄管では新雪による足への抵抗はほぼゼロだったが、標高950m付近でスノーシューでの沈み込みは10cm程度(足首位)で、この深さになると軽くはない。もちろんトレースは皆無なので一人ラッセルが続く。発電所から山頂までの標高差は約900mなので、もし登山道があったら2時間強、雪の状態が良ければ同じ程度の所要時間しかかからないはずだが、今回は新雪ラッセルのため4時間近くかかってしまった。藪よりはマシだと思うが大腿四頭筋を酷使させられた。

 標高980mの尾根幅が広がった箇所から二重山稜が登場、1004m峰まで概ね続く。この付近は地形はなだらかなはずなのに雪面は大きな凸凹があちこちにあり、おまけに冬でも落葉しない杉が多いので先の様子が見えない。今日は新雪にでかい足跡がくっきりと残るので下りでも迷う心配は無いが、周遊コース等を組んでこの尾根を下る際はルート取りには要注意だろう。

 1004m峰を越えて尾根幅が狭まって明瞭化するが、標高980mで再び広大な斜面に変わり適当に上を目指す。この付近から東寄りの風が強まり、杉に積もった雪が吹き飛ばされてミニ吹雪状態に。新雪の積雪量も増えてスノーシューで沈む深さは15cmを越えるようになり、目に見えてスピードが落ちてきた。1151m峰を越えたのは9時ちょっと過ぎでNHKのラジオ第一の「山カフェ」が始まる時間だったが、山頂までの標高差は250mしかないのでラッセルで速度が落ちても山カフェが終わる時刻には山頂到着するだろうと考えていたが、実際にはそれよりも約1時間遅かった。

 1151m峰から1120mにかけての水平移動区間も平らな雪面がなく凸凹だらけ&杉で、視界が制限されて尾根直上にいるのかの判断も難しい状況だったし、先の様子が見えないので地形を読むのも難しく、高度計の表示が頼りだった。しかし水平移動ではラッセルで体力を搾り取られるだけで一向に高度が上がらず、精神的にもきつかった。

 1130m鞍部よりも少し先の杉の古木には、鋸で切断したような平らな切り口の部分が数か所見られた。これまで目印などの人工物は一切見られなかった(気付かなかった)が、全く人が入っていないというわけでもないようだ。

 標高1160mからやっと登りに変わるが、これまた尾根形状を成さない広大な斜面で、しかもこれまた平坦地がほとんど無い凸凹だらけの谷だらけの斜面で、どこを登れば楽なのかさっぱり分からなかった。小さなポコを越えると向こう側は下りになっていたりと効率的なルート判断が難しい。元々の地面がこんなに凸凹なのか、それとも風等の影響で積雪だけが凸凹になるのかは不明だが、これだけ広い斜面でこんな光景は見たことがない。スノーシューでも苦労するがスキーには全くもって適さない地形と言えよう。立木も相変わらず多いが、やや木の間隔が広がって明るくなったようだ。今日は足跡が残るので問題ないが、ここを下るのはルート判断に苦労するだろう。

 ラッセルはますます深くなり、スノーシューでも20〜30cmも沈むようになり、いくら傾斜が緩いとはいえ相当きつい。こりゃ場所の選択を失敗したなぁと後悔しつつも、ここまで来て諦めるのはもったいないのでこのままラッセルを継続。古い雪は踏み抜かないのだが、新雪が深くなると最初の1歩で沈んだ新雪にさらに体重をかけるともう一段沈み込み、踏み抜きと同等の効果が出て非常に疲れる。何度か踏みつけて踏み固めてから体重移動するようにしたのでさらに時間がかかってしまった。

 高度が上がると木の密度が低下するとともに周囲の山々よりも標高が高くなって展望が開けるようになる。先週は見えなかった剱岳は頭だけが大日岳の稜線から飛び出していた。先週も見えた白馬岳、旭岳は相変わらずたっぷりの雪が付いたまま。たぶん新雪で先週より積雪が増えているだろうが、元々がたっぷりの積雪だったので遠目に見ただけでは変化は感じられない。

 山頂直下まで登っても雪面の凸凹は変わらずで、山頂の一角でやっと平坦な雪面に達した。ただし完全な平坦ではなく小さめのポコが数か所にある。高杉山は地形図を見る限りは平坦でなだらかな尾根なのだが、実際には小さな凸凹が山頂まで続くのであった。山頂には明瞭な最高点は無く、小さなポコの1つが現在の最高点だろう。この盛り上がりの下に何があるのかは不明。積雪量も不明で、ストックを刺した限りでは1m以上は確実。新雪は40cm程度で、スノーシューを履いても動き回るのに大変な労力が必要だった。山頂もこれまでと同じように天然杉が点在して大展望と言うわけにはいかないが、位置を変えれば部分的に展望が得られるので動き回れば各方向の展望を楽しめるが、今の積雪状況では動き回る気力が無い。山頂付近では毛勝三山〜剱岳北方稜線方面が一番よく開けていた。

 山頂標識が無いか探し回るのも大変なのでしつこく探すことはしなかったが、展望を得るついでに動き回った範囲では山頂標識が見つからないどころが、テープ等の目印も皆無だった。今年は積雪は少ないはずなので積雪期〜残雪期に付けられた目印があれば雪の上に出ているはずで、本当に登る人が少ないのであろう。

 冷たい南風が強く、凸凹と木の陰で風よけになり、なおかつ日が当たる場所に陣取って休憩。この時間でも雪はほとんど解けず、木の上に積もった雪は強風で飛ばされて時々吹雪のようになる。地面の雪もほとんど解けず、足で踏み均そうにも柔らかいままでうまくいかない。スノーシューを脱ぐと場所によっては腿まで踏み抜くので、新雪の下の雪も締まっていないらしい。今日のラッセルはきつかったので1時間ほど休憩した。残念ながら銀マットを持ってくるのを忘れてしまい、寝っ転がっての休憩とはいかなかった。

 下山は自分のラッセル跡が使えると言っても登りと下りでは歩幅が異なるので、少なからぬラッセルが必要。下りでもきつかった残雪の山はあまり記憶が無い。往路のトレースを忠実に辿ったので余計なポコも越えることになるが、まっさらな雪面をラッセルするよりは格段に楽だった。標高1000mを切るとやっと積雪が減ってラッセル地獄から解放され足が軽くなるが、全く潜らないわけではない。また、少しでも傾斜がある場所では新雪と古い雪との弱層でスノーシューが滑るため、スノーシューのアイゼンが効くようにバックで下った。スノーシューは踵が使えないため下りのブレーキが効かないのであった。

 銀色の調圧水槽から送水鉄管脇を下っていくが、途中から傾斜がきつくなるタイミングでスノーシューからアイゼンへ切り替える。これでバックで下る必要はなくなった。往路とは違って送水管の東側をずっと下り、さらに急角度になったところで西側に移動して送水管を離れて斜面を適当に下った。下りきってから振り返るとなかなかの傾斜だったが、それでも送水管最下部の斜度よりは緩かったかもしれない。

 あとは退屈な林道歩き。途中でカモシカを発見。珍しくカモシカが気付く前に私が気付いたので写真撮りまくり状態。距離は30m程度で、カモシカが気付いて数分間睨めっこが続き、私が少し動くとカモシカは鼻息荒く斜面を駆け上がり、一度だけこちらを振り向いた後に走り去った。そういえば今回は山の中でカモシカの足跡は僅かしか見られなかった。新雪に埋もれて見えなかっただけかもしれないが。

 駐車場到着。車は私のものだけで、濡れた衣類やスパッツ、スノーシューや登山靴を舗装された路面に広げて虫干し。駐車場に設置された周辺の案内図をよ〜く見たら誤字を発見。黒部五郎岳が黒部四朗岳と書かれていた。看板の発注者や製造者は山に詳しいわけもなく、こんなことも起こるようだ。でも山が野口五郎岳なら野口四朗岳にはならないだろう(笑)。山影に入るからだろうか、水須ではほとんど風は無かった。


まとめ
 今回のルートは高杉山に登る最短ルートと言え、危険個所も無くお勧めのコース。ただし積雪の多い年だと林道が危険地帯と化す可能性もある。林道の雪が減って道が無い標高750m以上は雪が残る状態で入るのがベストだろう。おそらく例年だと4月に入ってすぐくらいでは無かろうか。今回は新雪ラッセルで苦労して時間がかかったが、小口川第二発電所から山頂までの標高差は約900mなので、日帰り装備+それなりの雪質なら3時間はかからないだろう(これに林道歩きの時間が加わる)。ただし、雪が締まって往路の足跡が残らない場合、下りで相当苦労しそうな地形であり、目印を残すかGPSのお助けが必要だろう。特にガスったりして視界不良時の下りはルートミスの確率が高まるため、目印やGPS等の補助は必須となろう。

 

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